平成27年度から施行される入管法の改正について簡単にご説明します。
まず平成27年度1月1日から施行されるものに、在留資格「留学」のビザの変更があります。従来は高校・専門学校・大学・大学院等を対象としていましたが、それに小中学校における教育も含まれることになりました。すなわち日本の小学校・中学校で教育を受けるために「留学」の在留資格を取得して来日することができます。いままではそれに該当する在留資格がなかったため、日本の小学校・中学校で学ぶことを目的とした来日には短期滞在を繰り返すなどするしかありませんでした(なお家族滞在の在留資格を有している外国人の子女等が日本の小中学校に通う場合に留学の在留資格を取得しなければならないわけではありません)。
また平成27年度4月1日から施行されるものに、在留資格「投資経営」が「経営管理」に名称を変更し、また「技術」と「人文知識国際業務」が統一されて「技術・人文知識国際業務」に名称を変更するというものがあります。
在留資格「投資経営」が「経営管理」に変わることで具体的に何が変わるのかは省令や通達をまたなければ明確にはなりませんが、すくなくともいままでは外国資本の会社で経営者・管理者として働く場合を投資経営の範囲としていましたが、投資という部分が削られることで、資本の所在に関係なく会社での経営管理活動につき「経営管理」という在留資格が与えられるという意志を示したものと考えられます。また、外国人が日本で会社を設立する場合において現在要求されている500万円以上の資本や、2人以上の日本人を雇用する必要性などの規定がどのようになるかは今後の動向を注視していく必要があります。
在留資格「技術」・「人文知識国際業務」が包括的に「技術・人文知識国際業務」に変わるという点については、そのまま受け止めてよいと思います。すなわち、いままでは技術にあたるのか、人文知識国際業務にあたるのか明確にできないような事例で申請に迷うことがありましたが(たとえば翻訳ソフトの開発など)、今後はそのようなことがなくなりそうです。
最後に、在留資格に関わるものの改正として「高度人材制度」があります。平成27年度4月1日施行により今後は「高度専門職第1号」「高度専門職第2号」という在留資格が創設されることとになります。いままでは高度人材は特定活動という在留資格を付与することで優遇措置を設けておりましたが、今回の改正で具体的に高度専門職という在留資格を設けることになりました。また高度専門職第1号として一定期間在留した者には高度専門職第2号として永住資格に比肩するほどの優遇措置を与えることになりそうです。