特定技能・素形材産業
特定技能ビザで働くことができる14業種の1つに素形材産業分野があります。素形材産業とは、我が国の自動車産業、機械産業、電機・電子機器産業などに部品を製造・供給する産業分野であり、日本のものづくりを支えている重要な産業です。
しかし、少子高齢化を迎えている我が国では労働力の希少化が進んでおり、徹底的に自動化・省人化を進めていく必要性とともに、労働力不足の解消および今後も持続的に発展していくために、海外からの労働力人材を確保する施策として、特定技能1号により素形材産業分野において外国人労働者を受け入れることができるようになりました。なお、素形材産業分野においては特定技能2号での受け入れは定められていません。
以下に、特定技能1号の素形材産業分野における要件や該当する職務内容等を説明していきます。
なお、特定技能制度の全体的な内容、特定技能1号・2号の要件や違いについては、「特定技能1号・2号とは?」のページをご参照ください。
「特定技能1号・素形材産業分野」要件
特定技能1号・素形材産業分野において要求される要件には、「技能水準」と「日本語能力」があります。
技能水準としては国内外で行われている「製造分野特定技能1号評価試験」に合格する必要があります(製造分野特定技能1号評価試験は鋳造や鍛造、ダイカストなど各業務区分ごとに分かれています)。
また、日本語能力に関しては「国際交流基金日本語基礎テスト」又は「日本語能力試験(N4以上)」の合格が必要です。
なお、素形材産業の業務区分に応じた技能実習2号を良好に修了している方については、技能水準・日本語能力の試験は免除されております。
技能水準
✤特定技能1号・素形材産業に求められる技能水準は以下です。
(1)製造分野特定技能1号評価試験の合格。試験は国内外で行われております。試験内容や日程については経済産業省サイトのページでご確認ください。
◆なお、素形材産業の業務区分に応じた技能実習2号を良好に修了している者は、上記の要件は免除されます。
日本語能力
✤特定技能1号・素形材産業に求められる日本語能力は以下です。
(1)国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験(N4以上)。
◆なお、素形材産業の業務区分に応じた技能実習2号を良好に修了している者は、上記の試験は免除されます。
「特定技能1号・素形材産業」職務内容
特定技能1号・素形材産業において行うことができる職務内容(業務区分)は、鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス加工、工場板金、めっき、アルミニウム陽極酸化処理、仕上げ、機械検査、機械保全、塗装、溶接の13種です。各自が技能評価で受けた業務区分に対応した職務を行います(複数の技能評価試験に合格している場合には複数可)。
なお、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えないとされています(原材料・部品の調達・搬送作業、前後工程作業、クレーン・フォークリフト等運転作業、清掃・保守管理作業など)。
職務内容
✤特定技能1号・素形材産業における職務内容。
(1)鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス加工、工場板金、めっき、アルミニウム陽極酸化処理、仕上げ、機械検査、機械保全、塗装、溶接。
(2)上記に加え、日本人が通常従事するような関連業務を付随的に行うこと(原材料・部品の調達・搬送作業、前後工程作業、クレーン・フォークリフト等運転作業、清掃・保守管理作業など)。
受入れ機関・人数等
素形材産業において特定技能1号の外国人を受け入れることができる事業所は、日本標準産業分類(平成25年総務省告示第405号)に掲げる産業のうち、次のいずれかをおこなっている必要があります。
【2194】鋳型製造業(中子を含む)
【225】鉄素形材製造業
【235】非鉄金属素形材製造業
【2424】作業工具製造業
【2431】配管工事用附属品製造業(バルブ・コックを除く)
【245】金属素形材製品製造業
【2465】金属熱処理業
【2534】工業窯炉製造業
【2592】弁・同附属品製造業
【2651】鋳造装置製造業
【2691】金属用金型・同部分品・附属品製造業
【2692】非金属用金型・同部分品・附属品製造業
【2929】その他の産業用電気機械器具製造業(車両用・船舶用を含む)
【3295】工業用模型製造業
なお、事業所がこれらの産業を行っているかの基準には、特定技能1号の外国人が業務に従事する事業場において、直近1年間に「製造品出荷額等」が発生している必要があります。
製造品出荷額等とは、製造品出荷額、加工賃収入額、くず廃物の出荷額、その他の収入額の合計をいい、消費税・酒税・たばこ税・揮発油税・地方揮発税を含んだ額を指します。
受け入れ人数については、事業所ごとにおいて特定技能1号・素形材産業の外国人を受け入れることができる人数に制限はありませんが、素形材産業分野における外国人材すべての受入れ人数としては、向こう5年間で最大2万1,500人を見込んでいます。これを向こう5年間の受入れの上限として運用する方針です。
なお、特定技能1号の外国人を素形材産業の分野に従事させるため、派遣し、派遣された者を受け入れることはできません(派遣は不可。直接雇用のみ)。
直近1年間の製造品出荷額等
✤直近1年間の造品出荷額等とは以下の合計額をいい、消費税・酒税・たばこ税・揮発油税・地方揮発税を含んだ額を指します。
(1)製造品出荷額
製造品出荷額とは、直近1年間にその事業所の所有に属する原材料によって製造されたもの出荷することです(原材料を他企業の国内事業所に支給して製造させたものを含みます)。
また、出荷に関しては、ア「同一企業に属する他の事業所へ引き渡した場合」、イ「自家使用されたもの(その事業所で最終製品として使用)」、ウ「委託販売に出したもの(販売済みでないものを含み、直近1年間中に返品されたものを除く)」も含みます。
(2)加工賃収入額
加工賃収入額とは、直近1年間に他企業の所有に属する主要原材料によって製造し、あるいは他企業の所有に属する製品又は半製品に加工・処理を加えた場合、これに対して受け取った・受け取るべき加工賃をいいます。
(3)くず廃物の出荷額
(4)その他の収入額
その他の収入額とは、上記の出荷額以外の収入額をいいます。たとえば、転売収入、修理料収入、冷蔵保管料、自家発電余剰電力の販売などです。
協議会への参加
特定技能1号・素形材産業分野により外国人を受け入れた場合には、当該外国人の受け入れから4ヵ月以内に、経済産業省が設置する製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会に加入する必要があります。協議会に加入後は、協議会に対して必要な協力を行うなどしなければなりません。
協議会の加入に関しては、経済産業省のサイトをご参照ください。
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/gaikokujinzai/kyogi-renrakukai-nyukai.html
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